労働統計局が10月30日に発表した報告書「2012年の女性の収入の注目点」によると、男女の賃金格差が縮小しているという。1979年に初めて賃金比較調査が行われた際の男女の賃金水準は男性100に対し女性は62%だったが、12年度の女性常勤労働者の1週間の収入の中央値は691ドルで、854ドルだった男性の81%に迫った。
男女間賃金格差は年代により異なり、25〜34歳の女性は男性の90%だったのに対し、45〜54歳では75%と差が広がる。一般的に、男性の昇給は25〜65歳まで続くが、女性の場合は25歳〜34歳までという点が原因とみられる。
12年の1週間の収入の中央値は、女性の場合35〜44歳が747ドル、45〜54歳は746ドル、55〜64歳は766ドルだったが、男性の場合は35〜44歳は957ドル、45〜54歳は994ドル、55〜64歳は1005ドルだった。
男女賃金格差は白人とアジア系でもっとも大きく、白人女性の12年の収入は白人男性の81%で、アジア人女性は男性の73%、黒人は99%、ヒスパニック系は88%だった。
だが、ラトガーズ大学「女性と労働センター」の所長ダナ・ブリットン博士は、同局による調査は年間賃金ではなく週間賃金を対象に比較しており、無報酬労働期間などが含まれていないため、正確とは言えないと指摘している。