左脚失った英国人旅行者がNY市を提訴へ タクシー会社が運転手の違反歴を把握漏れか

 ことし8月にニューヨーク市マンハッタン区でタクシーにはねられ、左脚を失った英国人旅行者のシアン・グリーンさんが、タクシー運転手には事故の時点ですでに雇用主による免許停止処分に相当する違反歴があったとして、ニューヨーク市に対して2750万ドルの損害賠償を求める考えであることを明らかにした。
 タクシーを運転していたファイサル・ハイモンさんには、免許証のポイント7点分の違反歴があることが分かっており、グリーンさんの弁護人は「(営業免許証を管轄する)タクシー&リムジン委員会は事故が起きる前にハイモンさんを免許停止処分にすべきだった」と主張している。
 一方、タクシー&リムジン委員会は「コンピューターの不具合が原因で、違反歴を把握できていなかった」と、これを認めている。同委員会によれば、同様に免許停止処分漏れとなっているドライバーは数千人に上るという。
 同事故については先月、マンハッタン検察が尋問や証拠の検証を行ったうえで、事故が故意であったことを証明できないとして、運転手を不起訴とする決定を下していた。
 事故発生時、運転手はバイク・メッセンジャーとの口論直後に歩道に車を乗り入れ、道路脇でホットドッグを食べていたグリーンさんをはねたことが分かっている。