ペンシルべニア州タンカノックで行われていたニューヨーク市立大学バルーク校男子社交クラブの合宿に参加していた男子生徒が、「しごき」ゲームで頭部に大怪我を負い、9日死亡したことが分かった。
亡くなったのは、同校に通う1年生、チェン・マイケル・デンさん(19歳)。合宿中に頭部に深刻な損傷を受け、8日朝、友人によって病院に運び込まれた。デンさんはこの時点ですでに意識がなく、9日に死亡が確認された。
警察の調べによると、デンさんは「滞在先の建物の庭で、クラブの行事に参加している最中に怪我を負った」としている。クラブのメンバーは、怪我をしたデンさんをいったん建物の中に運び込み、約1時間後に近くの病院へ運んだとみられている。クラブの生徒らは当初、事故を隠蔽しようとしていた可能性もある。
調査を担当する検察官が米紙ニューヨーク・タイムズに語ったところによれば、デンさんは「ガラスの天井」と呼ばれるゲームに参加していたという。これは、腰に重りを下げて目隠しをされた人を一人が声を掛けてゴールまで誘導し、それを他の参加者が身体をぶつけるなどして阻止しようとするもので、クラブの新入会員を対象に「歓迎儀式」として行われることが多かった。
バルーク校のウォラーステイン校長は、「大学側はこのような行事が行われていたことを認識していなかった。許可の申請も受けていない」と説明している。
米国では社交クラブの新入会員に危険な行為を強要するなどして忠誠心を試す「ヘイジング」と呼ばれる習慣があり、現在では多くの州で法律により禁止されている。