次期知州事再選にからむ疑惑浮上 クリスティ氏、意図的に渋滞引き起こした可能性

 ニューヨーク州とニュージャージー州を結ぶジョージ・ワシントン橋の2車線がことし9月、交通調査の目的で一時封鎖され、深刻な渋滞を引き起こした。この調査実施の背後に、ニュージャージー州のクリス・クリスティ知事の選挙に関する政治的な画策が潜んでいた疑いが浮上している。
 同州議会の民主党議員らは、同橋のニュージャージー州側の入口があるフォートリー市の市長が、先日行われたクリスティ氏の再選に向けた選挙で支持を表明することに難色を示したため、同氏とつながりの深いニューヨーク・ニュージャージー州港湾局(PA)の幹部が、交通調査のためと称して不必要に車線の一部を封鎖し、渋滞を引き起こすことで、同市長に「罰」を与えたのではないかと指摘した。
 クリスティ氏の再選はほぼ確実視されていたことから、当初この疑惑は注目を集めなかったが、ジョージ・ワシントン橋に勤務するPA職員や、そのほかの公的機関の職員が車線封鎖の予定を知らされていなかったことが発覚し、調査そのものが存在しなかった疑いが出てきた。
 これを受け、クリスティ氏がPA幹部に任命したデビッド・ウィルドステイン氏が、投資計画事業の責任者としての役職を辞任することが決定している。