大規模テロ攻撃の可能性浮上 任期満了直前のケリー長官が警告

 ニューヨーク市警察(NYPD)のレイモンド・ケリー長官は10日、NYPD防衛会議に集まった警官や民間の警備専門家を前に、米国内および海外で、大規模なテロ攻撃が起きる可能性を示唆した。
 2011年に起きた国際テロ組織アルカイダの指導者、オサマ・ビン・ラディンの殺害や無人偵察機による攻撃などの打撃にもかかわらず、中東やアジア圏の原理主義組織は改宗者による増員を続け、テロ組織は勢力拡大を図っているという。
 ケリー氏は、北アフリカと中東の発展、シリアでの内戦、イランとヒズボラの活動の継続などのすべてが、テロ攻撃の可能性の誘因となっているとし、「今は安心している場合ではなく、警戒するべき時だ。我々が暮らすこの世界は、大変危険な状態である」と警告した。
 NYPDの第41代本部長であるケリー氏は、02年に就任して以来、諜報部員を増員し、素早い対応のできる重武装部隊を編成、また連邦政府からの数百万ドルにも上る補助金を獲得することにより、NYPDの反テロ活動の強化に取り組んできた。
 同氏は任期満了まであと約2週間を残し、今期限りで引退する。来年1月1日からは、新ニューヨーク市長であるビル・デ・ブラシオ氏が指名した、ビル・ブラットン氏が後任を務める。