米証券会社キャンター・フィッツジェラルドとアメリカン航空は17日、米中枢同時テロによる業務妨害と資産損失をめぐる訴訟について、1億3500万ドルで和解が成立したと発表した。
同社は、世界貿易センタービル(WTC)北棟に激突したアメリカン航空11便に、ボストンのローガン国際空港から5人のテロリストを搭乗させたことにつき、同航空会社を相手取り、過失責任を求める訴えを起こしていた。
キャンター・フィッツジェラルドは2001年に起きた同テロ攻撃により、ニューヨーク支社に在籍していた従業員約1000人のうち658人を失った。被害者の半数以上には子どもがおり、その多くが当時12歳以下であった。また、残された配偶者のうち約40人は当時妊娠中で、兄弟や親子など2人以上の家族を同時に失った人もいた。
同社は一時、破損した家具や絵画などの資産の他に、従業員を失ったために事業を中断せざるをえなかったとして、10億ドル以上の損害賠償を求めていた。だがニューヨーク州法では、雇用者が従業員の不法死亡について提訴することは認められていないため、その後、請求額を大幅に減らした。
同社は、アメリカン航空はハイジャックを避けるために最大限の注意を払う義務を、経費節減のために怠ったと主張していたが、同航空会社は、このような事件が起きることを予測することは不可能だったと反論していた。