ニューヨーク市内でアップル社の製品の盗難が急増していることを受け、市議会が市内の質屋や再販業者に対し、警察だけが閲覧可能な在庫リストのデータベースへの登録を義務付ける法案を作成中であることを明らかにした。
これはマイケル・ブルームバーグ市長の要請を受け、市議会の消費者問題委員会が中心となって作成しているもの。委員長のダン・ガロドニック市議によると、この法案の下、市内の質屋、スクラップ業者、再販業者は在庫製品すべての製造番号と写真をオンライン上のデータベースに登録することが義務付けられる。
現行の法律でも業者は在庫リストを管理し、警察の要請があれば提出するよう義務付けられているが、そのほとんどはデジタル化されていない。
現在、市内の一部の業者や小売店は「LeadsOnline」と呼ばれる全国規模のデータベースへ自主的に在庫リストを登録している。ニューヨーク市警察庁(NYPD)によると、検挙や持ち主への返還にこのデータベースが非常に役立っており、同様のシステムを義務化することで、さらに大きな効果が期待されている。
一方、市内の質屋を代表する団体は、この法案は「質屋は盗品を扱い、店に来る客はまっとうではないという偏ったイメージに基づいて作成されている」と非難している。
アップル社の製品は、再販でも高値が付くため盗難が後を絶たない。同委員会の公聴会では、強盗や窃盗の総件数におけるアップル製品の占める割合が毎年約2%ずつ上昇しており、昨年度は約20%に達したことや、今年度に市内で発生した携帯電話の強盗・窃盗の半数が同社の製品であったことなどが報告された。