地下鉄工事のため テナントを強制退去 MTA、収用権を行使

 ニューヨーク州都市交通局(MTA)は、地下鉄2番街線プロジェクトの工事に伴い、2番街沿いにあるビルのテナントに、一時退去を求めている。
 ニューヨーク州職員が昨年12月、マンハッタン区の州高位裁判所民事部に申し立てを行った。提出された書類によると、MTAは公用収用権を行使し、テナントを強制退去させる権限と、テナントとビル所有者に支払うべき保証額の決定を裁判所に求めている。
 強制退去が求められているのは、東69丁目301番地の19階建てのビル内にある居住用施設、クリーニング店や駐車場スペースなどの6軒で、MTAは退去期間を「数週間」としている。また退去の必要性については、新設される72丁目駅の出入口の設計が変更となったため、と説明している。
 当初は同ビル内にある2カ所の小売店舗部分に出入口を建設する予定で両店舗を収用したが、ビル本体や設備の工事による衝撃を最小限に抑えるため、計画が変更された。新しい設計図によると、2番街東側の歩道の幅を広げ、そこにひさしの付いた出入口を建設する。
 2番街線プロジェクトは現在、第1段階として東63丁目から96丁目間の作業が進行中で、同区間の72丁目、86丁目、96丁目に駅が建設される。
 開通は、2016年の予定。MTAは同計画のため、これまでに24軒の不動産を収用している。