通勤用フェリーのルート拡大 沿岸地域開発に伴い需要増

 ニューヨーク市の経済成長を促進する団体「ニューヨーク・シティー・エコノミック・デベロップメント社(EDC)」は、イーストリバー・フェリー(ERフェリー)の5つの新しいルートとターミナルの計画を、最新報告書の中で明らかにした。
 EDCは115ページに及ぶ報告書の中で、マンハッタン区とそれ以外の区で現在、沿岸地域の開発が進んでいるアストリア、ロングアイランドシティ、サウンドビュー、セント・ジョージとを結ぶルート、またマンハッタン区の東34丁目から同区のグランド通りを経由し、ウォール街に向かうルートの新設を提案している。
 市には以前からスタテンアイランド・フェリーのほか、ニュージャージー州とマンハッタン区間を運航する民間のフェリー会社や、クイーンズ区ロッカウェーおよびブルックリン区サンセットパークの住民のためのボートサービスが存在しているが、2011年に試験的に開始されたERフェリーは1日3200人が利用し、予想されていた利用者数を遥かに上回る大成功を収めている。
 また、フェリーのターミナル周辺地域では、住宅価格が値上がりするという相乗効果も生まれている。
 EDCによると、市の沿岸地域の開発進行に伴い、手軽な価格で速やかに移動できるフェリーサービスの需要が高まっているという。