今月発行の専門誌クライム・アンド・デリンクエンシーに発表された研究論文によると、米国内に住む黒人男性の約50%および白人男性の約40%が、23歳になるまでに交通違反以外の犯罪で逮捕されていることが分かった。
18歳の時点で黒人男性の30%、ヒスパニック系男性の26%、白人男性の22%に逮捕歴があるといい、23歳になるとこれが黒人の49%、ヒスパニック系の44%、白人の38%に上昇する。女性の場合は黒人の20%、白人の18%、ヒスパニック系の16%が、23歳になるまでに逮捕された経験があった。
同研究は逮捕記録ではなく、連邦労働統計局が7000人の若者を対象に行った年次世論調査の1997年〜2008年までの記録を基に集計。調査では「交通違反以外の犯罪で逮捕されたことがあるか」という質問に対し、自己報告してもらった。逮捕理由は、未成年飲酒や暴行などが目立った。
ニューヨーク州立大学オルバニー校の犯罪学者ショーン・ブッシュウェイ氏は、「これほど多くの人々に逮捕歴があるのに、すべての逮捕経験者を札付きの犯罪者のように扱うのは間違っている」とし、この研究結果が就職や学校、公営住宅などの申し込みの際に逮捕歴が問題とならない世の中となるのに役立つかもしれないと語った。