21日にニュージャージー州ベイヨン市のケイプ・リバティー港からカリブ海に向けて出港したロイヤル・カリビアン・クルーズ社(RCC)のクルーズ船エクスプローラー・オブ・ザ・シーズは、数百人の乗船客らにノロウイルス感染の疑いがあるため、26日に航海を中止し、帰途に着いた。
10日間をかけてカリブ海を巡る行程中であった同船では、3050人の乗船客のうち577人と乗組員49人がノロウイルス感染のような胃腸障害を訴えた。
RCC社によると、プエルトリコに寄港した際、同ウイルスを死滅させる効果が証明されている洗浄剤および殺菌剤を使用し、船内の洗浄を実施。次の寄港地である米領ヴァージン諸島のセント・トーマス島で、疾病対策センター(CDC)による立ち入り調査を受け、航海の中止を決めた。
胃腸障害を訴えていた乗船客や乗組員はすぐに隔離され、船上で市販薬の投与を受け、効果が表れ始めているという。
同クルーズ船は29日にケイプ・リバティー港で今回の航海を終える予定で、CDCの職員らはそれまで乗船を続ける。同港で、船の完全な消毒作業が行われる予定。
RCC社は声明の中で乗船客らへ謝罪し、補償についても触れた。先週、同社の別のクルーズ船マジェスティー・オブ・ザ・シーでも、十数人の乗船客が胃腸障害を訴えていた。