ケント・グブルド法律事務所

 日本で暮らしていた時は、「弁護士や法律事務所には一生縁はない」とほとんどの人が思っていたはず。しかし、ここニューヨークでは、ビザの問題をはじめ、隣人や大家とのトラブル、交通事故や医療事故に関する訴訟など、縁がないどころか、誰にとっても切実で身近な存在だと感じている人も多いだろう。今回は、「ケント・グブルド法律事務所」を紹介したい。

まずは親切なパラリーガルの宮田さいか氏(前列左)に 日本語で連絡したい

人間味あふれる6人がスクラムを組むウォール街の法律事務所

「生まれ変わってもこの仕事をしたい」 と語るケント・グブルド弁護士

 この法律事務所の代表であるケント・グブルド氏は、弁護士になって26年。1991年、オレゴン州に初めて自分のオフィスを持った後、2002年にニューヨークに移り、昨年8月には現在のウォールストリートにオフィスを構えた。グランドセントラル駅から地下鉄で15分ほどの、ボウリング・グリーン駅から徒歩約2分。観光名所としても有名な「チャージング・ブル(突進する雄牛)」のブロンズ像のすぐ目の前にある重厚なビルに、「ケント・グブルド法律事務所」はある。重厚な建物につきものの古さ・暗さはなく、広い廊下のつきあたりにあるオフィスは広々としていて、とても明るい。
 自分の生まれ育った国ではない、言葉も文化も異なった米国で弁護士を捜したり、法律事務所を訪れなければならないという状況となれば、気持ちも足取りもかなり重いはず。そんな時は、ぜひグブルド氏のオフィスのドアを開けて欲しい。人の話にじっくりと耳を傾け、笑ったり、考え込んだり、とても表情豊かで、人間味あふれるグブルド氏の人柄にホッとさせられるに違いない。何故なら、問題を抱え、重い気持ちでやっとのことでドアを開けた法律事務所で待ち構えていたのが、険しい表情の威圧的な態度の弁護士でますます気が重くなった──という話を、ここニューヨークではよく耳にするからだ。
 グブルド氏は訴訟全般を扱っており、これまでに社会をにぎわせ、テレビや新聞に大きく取り上げられた事件も手掛けてきたという。
 また、米国で暮らす日本人にとって一番切実な問題である非移民・移民のビザ全般については、グブルド氏同様、人の話に熱心に耳を傾け、物静かだが的確な判断でグブルド氏の人望も厚い弁護士のフェイ・ユー氏が担当してくれる。そして、もうひとり女性弁護士のチェンシー・ジェン氏、日本語で力強い味方となってくれる宮田さいか氏をはじめとする3人のパラリーガル。この6人が和気あいあいと、とても近い距離感で仕事をしている様子を見ているだけで、この法律事務所の誠実さ・温かさは十分伝わってくるに違いない。

「依頼人との信頼関係がすべて」 ビザも訴訟も安心しておまかせ

物静かだが日本人のメンタリティーも よく理解しているフェイ・ユー弁護士

 グブルド氏は、弁護士にとって一番大切なのは「人間関係」だと言う。クライアントを信じ、クライアントからも信じてもらうこと。膨大な資料を読み、リサーチし、判断し、クライアントにとって最良の結果に導く。クライアントの「人生」を左右するため、オフィスを出ても常にそのケースが頭から離れることはないと言う。また、米国は州によって法律が異なっているだけではなく、ニューヨーク州の中でもニューヨーク市独自の法律もあるため困難を極め、情報もしばしば変わる。
 日本をテーマにした小説「SHOGUN」を7回も読むほど日本の文化を愛し、「福島の人たちが大震災から立ち直るためにあの困難な状況に耐え、そんな中でも礼儀を忘れない規律正しい生き方を心から尊敬している」と語るグブルド氏。またユー氏も、控えめで、ともすれば自己主張が苦手で、ストレスを内側に抱え込みやすい日本人のメンタリティーをよく理解している。
 「大丈夫。いつでも私たちのオフィスのドアを開けてください」と語るグブルド氏の眼差しは力強く、実に温かかった。

Law Office of Kent Gubrud P.C.
11 Broadway, Suite 568, New York, NY
☎212-968-8818
miyata@kklawus.com