自閉症児の追跡装置に関する法案 シューマー議員が発表

 ニューヨーク州選出のチャック・シューマー上院議員は26日、自閉症児が行方不明となった場合に居場所を追跡する装置の普及に、連邦予算を充てる法案を提出すると発表した。
 この法案は、昨年10月にロングアイランドシティの学校から行方不明となり、先日遺体となって発見された自閉症の少年、アボンテ・オクエンド君にちなみ「アボンテ法」と名付けられた。
 アボンテ君の家族も同席した記者会見の場でシューマー議員は、今回の法案は現行のアルツハイマー患者追跡プログラムの対象を拡大する形で提案するもので、追跡装置を各自治体の警察や学校などに配布して自閉症児を持つ家庭に届けるため、1000万ドルの予算を充てると説明した。
 アルツハイマー患者の徘徊防止用に使用されているこの追跡装置は、腕や足首、ベルトなどに装着するか、服に縫い付けることができるもので、装置本体は約100ドル、毎月の使用料は9ドル〜15ドルかかるが、法案には保護者の負担に対する補助も含まれている。
 自閉症児の半数は徘徊経験があるとされており、さらに会話が不自由なため、自ら助けを求めることも難しい。今回の発表によると、現在すでに使用されている追跡装置「プロジェクト・ライフセーバー」で、行方不明となった子どもは通常30分以内に発見されている。