株式会社 三越伊勢丹ホールディングスは6日〜13日、ポップアップストア「NIPPONISTA(ニッポニスタ)」をマンハッタン区ソーホーで展開している。
感度の高いショップが並ぶソーホーの180平方メートルのスペースに、ファッション、アート、フード、リビングなど50のブランドを集めた。
これは、経済産業省による2013年度クールジャパン戦略推進事業のひとつとして選ばれたプロジェクト。
●三越伊勢丹、伝えたいのはその向こうにある「物語」
「日本の文化を熱狂的に愛する人──を意味する造語『NIPPONISTA』は、今回の単なるプロジェクトタイトルではなく、コンセプトそのもの」なのだと同社の経営戦略本部マーケット・開発部 新規事業開発担当長 部長の柴田廣次氏は語る。
日本の良いものを世界に向け、紹介したい。だが、「本当に伝えたいのは、物だけではなく、その向こうにある人、背景、そして物語(ストーリー)」なのだとか。「まだまだ海外ではマイナーなものをメジャーにすることこそが、私たちの仕事」だと柴田氏はきっぱり言い切る。
期間中、一般客の入場および一部商品の購入も可能。各ブランドは、現地のバイヤーやショールームオーナーなどをはじめとするビジネスパートナー探しも目指す。
●ANAは「Is Japan Cool?」で応援
三越伊勢丹の想いに共感し、今回のプロジェクトに協力しているのが、ANA。
同社は、日本と海外を行き来する日本人だけではなく、海外の人に選ばれる航空会社を目指し、さまざまな取り組みを行っている。そのひとつが、「Is Japan Cool?」という同社のサイト(www.ana-cooljapan.com)だ。「日本の『本物』の魅力を三越伊勢丹さんと共に伝え、日本のブランド力を上げ、そんな日本の航空会社を利用したいと興味も持ってもらえれば」と同社マーケティング室マーケットコミュニケーション部スーパーバイザーの佐野晶太郎氏は語る。
同サイトには、カワイイ、コスプレ、ラーメンなどの魅力的なコンテンツが並び、その中に「ショッピング」というコンテンツが新たに登場。今回のプロジェクトを紹介、応援している。
●京都の老舗、祇園ない藤の本物だけが持つ「変われる力」
参加50ブランドの中には、1875年創業の京都の老舗、祇園ない藤の名前があるのにも、驚かされる。着物好きの間で知らない人はいない──という名店が、「JOJO」というネーミングのビーチサンダルという商品を持って、ニューヨークに乗り込んで来ているのだ。
着物地や古典柄などはどこにも施されておらず、コルクとゴムを使用し、それなのにどこか懐かしい感覚とニューヨーカーのハートをわしづかみにしそうなクールさにあふれている。「形は変わってしまっても、いいんです。真ん中に何を置くか──それが変わっていなければ」と5代目主人の内藤誠治氏は語る。
出展ブランドなどポップアップストアの詳細は、www.nipponista-isetan.comを参照。