ニューヨーク市のビル・デ・ブラシオ市長は12日、市庁舎で記者会見を行い、就任後初となる2015会計年度の暫定予算案を発表した。
7月1日から始まる新会計年度の予定支出額は737億ドル。財政政策専門家によると市の経済基盤は安定しており、30億ドルを上回る黒字が見込める可能性もあるとしているが、市には前政権から引き継いだ課題、労働組合との対立が残されており、昇給と未払い賃金を要求する152の労働組合と折り合いを付けるためには、70億ドルの支出が必要となる。だが、その支出は予算案には組み込まれていなかった。
予算案には、08年にマイケル・ブルームバーグ前市長が設立した退職者用健康保険補助信託基金への10億ドルのほか、ストップ・アンド・フリスク制度改正のために任命された、ニューヨーク市警察庁(NYPD)を監視する監察官に充てるための300万ドル、未就園児のためのクラス開設費用、有給病欠法、ホームレス防止制度、エイズ患者の住宅補助にかかる費用などが盛り込まれている。
市長は会見で、「前政権の予算案は適切でなかった」などと、前市長を非難する発言を何度も繰り返した。より詳細な行政予算は5月に発表され、新会計年度開始までに市議会により最終予算が決定される。