塩が足りない! NJ州、高速道路の閉鎖危機

 ニュージャージー州運輸局のジム・シンプソン局長は17日、降雪後に凍結を防止するために使用する道路用の塩の備蓄がほぼ底をついており、次に大雪に見舞われた際には、州間高速道路を閉鎖せざるをえない状況であると発表した。また、備蓄の追加が遅れていることに関し、連邦政府に責任があると指摘した。
 同局長によると、州政府は追加備蓄のために4万トンの塩を調達し、メイン州の港に停泊中の貨物船でニューアーク港まで運ぶ計画を立てていた。しかし、この貨物船は外国船籍であったため、本来は海事法により米国国内の港間での貨物の運搬は禁止されている。そこで同州は塩の運搬は緊急事態であるとし、連邦政府に海事法適用の放棄を申請したところ、米国土安全保障省から申請を拒否された。
 連邦海事局は、代わりに米国船籍の船2隻を調達したが、小型であるため合計1万5000トンしか運搬できない結果となった。また本来の計画より大幅に遅れが出たため、入港は今週末となる予定。
 シンプソン局長は「緊急事態に際しての申請拒否は遺憾である」と不快感をあらわにしているが、連邦政府からはこの件に関する取材への返答は得られていない。
 この冬の記録的な大雪のため、同州は現在までに8230万ドルを除雪作業に費やしており、散布された塩は約37万トンに上る。