ことしに入り米東部で大雪が続き、公立学校の多くが繰り返し休校を余儀なくされる中、ニュージャージー州の公立学校では13日、インターネットを介して休校中の授業を行う実験的な取り組みが実施された。
同州のパスカック・バレー高等学校区では昨年、大型ハリケーン「サンディ」の影響で数日間休校が続いたことをきっかけに、インターネット授業について検討し始めた。同区のエリック・ガンダーソン学区長は、先週になって大雪予報が出始め、「バーチャル登校を実行してみる、またとない機会だと思った」という。
同学区の英語教師は休校当日、動画サイトのYouTubeで特定のチャンネルにサインインし、詩を朗読した動画を見てオンラインで感想を述べ合うように生徒に伝えたところ、ほぼ全員がこの指示に従った。中には、授業中よりも活発に発言する生徒も見られたという。
このほかにも、講義を録画して投稿したり、芸術作品のレビューを書かせるなど、各教師がさまざまな試みを行い、体育の授業では「15分間雪かきをした後の自分の心拍数を計り、平常時と比較してみる」という課題も出された。
ガンダーソン学区長は現在、州の教育局に対し、ネットでの授業も通常の登校と同様に換算するように特別許可を申請している。同州では通常、雪による休校は1年間に3日までと規定されているが、同学区では今回が4日目となるため、許可が下りなければ夏休みなどに振替授業を行う必要がある。
ネットを介した授業については、生徒間でパソコンやインターネットへのアクセスに格差があることが問題視されているが、同学区ではこれまでに約1万ドルをかけて合計約4000人の生徒全員と教師にノートパソコンを配布している。また生徒のほぼ全員が、家庭でWi-Fi電波を利用できる環境にあるという。
ガンダーソン学区長は今回の実施について、「教員がよく考えて、家庭でもできる授業カリキュラムを作ってくれた。州の許可が下るかどうかはわからないが、大雪に影響されず授業を続行できたのは素晴らしいことだ」と感想を述べている。