ニュージャージー州のクリス・クリスティー知事を巡って取り沙汰されている2つの政治スキャンダルについて、州政府が元連邦検事をはじめとする専門家らに調査を依頼したことが分かった。
クリスティー知事は、前回の選挙で同知事への支持を表明しなかったフォートリー市長への政治的報復としてジョージ・ワシントン橋の車線を一部封鎖し、意図的に渋滞を引き起こした疑いが指摘されているほか、ホーボーケン市長に対しても、ハリケーン「サンディ」の復興金の減額を副知事がちらつかせ、民間による開発計画の承認を迫った疑いが持たれている。
調査を開始したのはランディ・マストロ元連邦検事率いる法律家6人で、これまでにフォートリー市長と職員に対し、車線封鎖に関するEメールなどの通信記録を提出するよう公式に要請した。
また、ホーボーケン市長に対しても、同市長が問題のやり取りを記録したとされる日誌のコピーを提出するよう求めているほか、市職員にも聞き取り調査や書類提出に協力するよう依頼書を送っている。
州政府は同調査について、フォートリー市の車線封鎖に関わった職員を特定すること、ホーボーケン市長の訴えの真偽を明らかにすることを目的とした内部調査と位置付けている。
また調査団には、1時間650ドルの報酬が支払われていることも分かっている。ホーボーケン市長の弁護人はこれに対し、「(ホーボーケン市は)州政府が調査を行うこと自体の適切性を疑問視している」として、調査協力要請を拒否したことを明らかにしている。