米大手引っ越し業者アトラス・バン・ラインズが実施した2013年度の転出・転入調査によると、ニューヨーク州から他州へと引っ越した転出件数が、転入件数よりも多かったことが判明した。
同社は1993年以来、全米で扱った長距離引っ越しの統計結果を発表している。13年度のニューヨーク州の転出率は59%で、60%のコネチカット州に次いで全米2位となった。
ニューヨーク州は過去10年間、この統計で首位を占めており、ニュージャージー州やオハイオ州とともにトップ3の常連だった。だが、最新の国勢調査の人口予測では、14年中にはフロリダ州がニューヨーク州を抜いて全米3位になるとされている。
一方、この統計で昨年度、州内への転入が転出より多かった州は、首位がノース・ダコタ州、続いてノース・カロライナ州、テキサス州であった。
なぜ多くの人々がニューヨークを離れて行くのか―。地元ニュースを配信しているSyracuse.comには、さまざまな意見が寄せられている。
同州出身のある男性は、「シラキュースで生まれ育ったが、以前は税金も安く、仕事も豊富にあった。しかし90年代に入り、州政府が法人税を吊り上げ規制を強化したことにより、多くの大企業が他州へと拠点を移してしまったため、多くの人が州外へ出ざるを得なくなった」と話す。また別の男性は、「失業を機に、2010年にフィラデルフィアに引っ越した。前より広い家が買えたし、税金は以前の半分。ニューヨークへ戻りたいけれど、恐らく金銭的に無理だろう」としている。
同サイトには他にも多数のコメントが寄せられているが、そのほとんどが生活費や雇用について否定的なものだった。