「両親に家を追い出された」とするニュージャージー州の女子高校生が両親を相手取り、学費の支払いなどを求める内容の訴訟を起こし、4日、初公判が開かれた。
原告は、モリス・カソリック高校4年のレイチェル・カンニングさん(18歳)。昨年、当時17歳だったレイチェルさんは両親に自宅を追い出されたと主張しており、現在は友人宅に身を寄せているという。
レイチェルさんは訴状の中で、両親に対し早急に生活に必要な金銭的援助をすることと、大学教育を受けるための学費の支払いを要求している。また同氏は司法当局に対し、自身が独立前の未成年であり、両親に扶養義務があることを認めるよう求めている。
レイチェルさんの父親で元公園警察署長のショーン・カニングさんは、「娘は礼儀正しく振る舞う、門限を守る、手伝いをするといった家庭内のルールに従うことを拒否し、昨年10月に自分の意志で家を出で行った」と主張しており、「私たちは娘を愛しているし、帰って来て欲しいと願っている」と語っている。
報道によれば、裁判の費用はレイチェルさんに滞在場所を提供している友人の父親が支払っているという。また昨年末までの授業料は両親がすでに支払っているが、今年度分に関しては滞納したまま。
同校側は「レイチェルさんは、すでに複数の大学から入学許可が下りるなど、優秀な生徒。しばらくの間は、学費の滞納による退学処置は取らない方針」であると発表している。
ニュージャージー州弁護士会家族法のブライアン・シュワルツ代表は「過去20年間にこのようなケースを見たことがない」と述べたほか、ジェラリン・ローレンス弁護士は「これをきっかけに、身勝手に家を出た多くの子どもたちが、扶養義務で両親を訴えるケースが急増する恐れがある」と懸念している。