ここ数年、大学が運営する農園がニューヨーク市内では増え、農作業に参加する学生が増加している。
私立大学ニュースクールのネービン・コーヘン准教授は「ニューヨーク市は今や“アーバンファーミング”の中心地」と説明しており、食糧問題や地産地消といった言葉が学生に浸透しつつある。
これらは授業の一環として行われるものと、ボランティア活動の場として運営されるものがあり、どちらも学生が食糧事情や農業経営を学ぶ場として活用されている。
ニュースクールでは、市内各所にある農園で学生が実習を行っているほか、よりビジネスについて学びたい学生は実際に農作業を行うのではなく、アップステートの農園グループとともに物流や分配プランを立て、市内への食糧供給を手伝うなどの活動を行っている。
ニューヨーク市立大学キングスボロー・コミュニティー・カレッジでは、キャンパス内に農園を設けている。ここで収穫した作物の多くは低所得家庭出身の学生へ無償で届けられ、一部は料理学科の実習に使われている。責任者のシルビア・トーレスさんは「学生には農作業を通して食糧システムを理解し、環境問題や健康な食生活についても学んでほしい」と話す。
またニューヨーク大学では、昨秋からマンハッタン区の農園で実習を行うクラスを設けているが、人気のため今後はクラス数を増やしていく予定だという。