AP通信社が情報公開法に基づき入手した内部報告書によると、ニューヨーク市のライカーズ島刑務所の受刑囚の多くが、看守から頭部などへの暴力を繰り返し受けているという。
昨年、看守から暴力を受け、怪我が確認された受刑囚のうち3分の1が、頭部への暴力を受けていた。頭部の殴打は死に至る可能性もあり大変危険なため、看守の規定では最終手段とされている。
1日平均3人の受刑囚が看守から受けたとする暴力が原因で治療を受け、20人が他の受刑囚とのけんかなどで負傷し、治療を受けているという。
受刑囚の弁護士らは、「刑務所内で暴力を防止するための十分な措置がなされていない」と指摘している。
ニューヨーク市保健衛生局の報告書によると、2012年4月から13年4月の間に、同刑務所で8557件の怪我が確認されており、そのうちの1257件が看守からの暴力によるもので、それ以外は主に受刑囚同士のけんかによるものだという。304件は、骨折など応急処置以上の治療が必要な重傷だったが、市の看守課は、昨年起きた怪我のほとんどは、応急処置だけで済んだとの声明を出している。
悪名高い同刑務所は、1万2000人の受刑囚を収容する、市内最大の収監施設である。