ニューヨーク市のマイケル・ブルームバーグ前市長は、偏見に基づき職務質問法「ストップ・アンド・フリスク」の対象とされた被害者が、警官を訴えることを可能にした新条例を阻止する訴えを起こしていたが、ビル・デ・ブラシオ市長は5日、これを却下する意向を明らかにした。
市議会で昨年8月に可決された同条例は、人種、宗教、性別、性的指向、居住場所などの特徴により、対象を絞って捜査を行うことを禁止するもの。だが、前市長は警官がいつどのように不審者に対し職務質問やボディチェックを行うべきかなどについては、州刑法の規定に準拠すべきで、市が独自に条例を定めるべきではないとし、昨年9月、市議会を相手取り、上位裁判所に訴えを起こしていた。
市の警官による労働組合「パトロール警官慈善組合」の委員長パトリック.J.リンチ氏は、前市長による訴訟が却下されても、同組合が個別で同条例への異議申し立てを続けていくことを表明。同条例について「見当違い」だと非難した。
市の主任弁護士を務めるザカリー.W.カーター氏によると、NYPDのガイドラインに沿った職務の範囲内でとった行為により、同条例に違反した警官が市民から訴えられた場合、市が警官の弁護をするという。