新たな支援の必要性伝える
マンハッタン区ミッドタウンにあるニューヨーク日系人会館でも9日、ほくほく会主催の2014年の東日本大震災追悼式典が行われた。式典では震災犠牲者への祈りだけでなく、初めて被災地とのインターネット生中継が行われ、被災地の人々が抱えるさまざまな心情と現状、そして今後の復興に必要とされる支援について伝えられた。
式典の第1部では、岩手県人会の藤島誠氏が陸前高田市にあるコミュニティカフェ「りくカフェ」での話を紹介。同氏は、行政や専門機関による支援が仮設住宅の住民と自宅に残った人を差別化し、地域のつながりを壊しつつあると語った。加えて、集合住宅の建設や孤独死の定義付け、被災者にまん延しつつある復興意識に対する疲れも伝えた。
その一方で、物質的な不足や生活上の不便さはなくなったこと、仮設住宅での暮らしに快適さや連帯感を感じている人々にも注目し、復興に必要な支援の変化を式典参列者に提議した。
第2部では、マイク白田氏が自ら被災地に赴き作曲した鎮魂歌を、「とも混声合唱団」が披露。震災で犠牲になった人々への祈りを込めて歌われた。式典の締めくくりには懇親会が開かれ、東北ゆかりの日本酒やつまみが無料で提供された。
ほくほく会は福島、宮城、岩手を含む東北6県の県人会と北海道ゆかりの会で構成されている。