ニューヨーク市警察庁(NYPD)運輸課の統計によると、ことしに入ってから地下鉄駅構内における物乞いまたは物売り行為で逮捕された人数が、昨年の3倍以上であることが判明した。
ことしに入ってから3月2日までのおよそ3カ月の間に、274人が物乞いおよび物売り行為をしていたとして逮捕されている。昨年同時期の逮捕者は90人だった。
米経済誌ウォール・ストリート・ジャーナルによると、物乞いについて、地下鉄利用者からの苦情が増加したために、警察が取り締まりを強化。その結果、逮捕者が急増し、苦情は減少している。
NYPDの新本部長であるビル・ブラットン氏は先週初め、「生活の質の問題」への取り組みについて語り、公共交通機関における問題の本質を理解するため、自ら深夜の地下鉄に乗車し、パトロールする旨を発表している。
同氏は、軽犯罪を取り締まることにより凶悪犯罪を減少させることができるとする「割れ窓理論」の考案者ジョージ・ケリング氏をNYPDのコンサルタントに迎え、深夜の地下鉄にも共に同乗することを予定している。