米国が生んだアイドル「バービー人形」が、今週末に55歳の誕生日を迎える。
1950年代にバービー人形を生み出したルース・ハドラーさんは、娘のバーバラちゃんが紙人形で遊んでいる姿からヒントを得た。
当時、子ども用の人形はほとんどが赤ん坊を模したものだったが、バーバラちゃんは紙人形を大人に見立てて遊んでいたという。このことに気付いたルースさんは、玩具メーカーであるマテル社を営む夫のエリオットさんに大人の姿の人形を作ることを提案。しかしエリオットさんは当初、妻のアイデアに乗り気ではなかったという。
56年、欧州を旅していたルースさんは、ドイツで「ビルド・リリー」と呼ばれる人形に出会う。リリー人形は大人の姿をしており、ルースさんが思い描いていた人形そのものだった。ルースさんはリリーを3体購入して持ち帰り、ひとつはバーバラちゃんに与え、残り2体をマテル社の経営陣に持ち込んだ。
ビルド・リリーはもともと新聞漫画の登場人物で、ブロンドヘアーで魅力的な外見の、自立した働く女性というキャラクターとして描かれていた。これを型どったリリー人形は55年、ドイツで大人を対象に発売されたが、着せ替え人形として次第に子どもたちの間でも人気が広まった。
ルースさんは米国に戻った後、リリー人形のデザインを作り直し、バーバラちゃんの名前をとって「バービー」と名付けた。こうしてバービー人形は1959年に誕生し、「ニューヨークおもちゃフェア」で初めてお披露目されたのだった。
バービー人形はその後、世界140カ国以上で愛されるようになり、これまでにオリンピック選手、大統領候補、宇宙飛行士などの「職業」も経験している。