Vol.29 ウクレレ奏者 ジェイク・シマブクロさん

 若きウクレレ界のプリンス、ジェイク・シマブクロさんが3月22日より、北米ツアー「2014 UKE NATIONS TOUR」を敢行。27日には、マンハッタン区のハイライン・ボールルームでも公演を行う。
 久々のニューヨーク公演を目前に控えた同氏に、今回のツアーの見どころについて話を伺った。
(インタビュアー:当銘 千絵)

 

ジェイク・シマブクロ(Jake Shimabukuro)
1976年11月3日、ハワイ州ホノルル生まれ。バンド活動を経た後、ソロに転向。2002年7月ソニー・レコードよりデビュー。ウクレレという楽器の即興性を活かしつつ、あらゆるジャンルの音楽を演奏するジェイクの登場は、「ウクレレ=ハワイアン」という概念を覆した。04年から3年連続でハワイ州観光局のイメージキャラクターを務めたほか、日米交流150周年外務大臣賞を受賞。06年映画「フラガール」に提供したオリジナル楽曲は、映画同様に高い評価を受けヒット。13年4月には、「グランド・ウクレレ」日本盤を発売。12年にスタートした《グランド・ウクレレ・ツアー》は、米国、カナダ、オーストラリア、日本、香港、タイなどを廻り、13年末までに約130公演を実施し、大盛況のうちに終了。14年1月からは、新たに《Uke Nation Tour 2014》をスタートさせた。3月26日、ライブDVD『Grand Ukulele Live in Boulder』日本盤が発売された。公式サイトは、www.jakeshimabukuro.com

 

ライブは元気の源

―今回は、久しぶりのニューヨーク公演。今のお気持ちはいかがでしょう。

 今回のHighline Ballroom(ハイライン・ボールルーム)は大変人気のある会場ですので、とても楽しみです。ニューヨークには年に数回訪れていますが、街のエネルギーにいつも良い刺激を受けています。

―今回は、どういったナンバーを披露するのでしょう。見どころを教えてください。

 最近の曲だったり、昔の曲を再アレンジしたものを披露します。今回は初めてベーシストが同行し、デュエットします。さらに、いつも愛用しているテナー・ウクレレに加えて、バリトン・ウクレレでも数曲演奏をする予定です。さまざまなウクレレの魅力が感じられるショーになっていますので、皆さんにも楽しんでいただけると嬉しいです。

―毎回、ステージを拝見すると実に楽しそう。ジェイクさんにとって、世界各国のファンの前で生演奏をするということはどのような意味を持つのでしょう。

 僕はウクレレを演奏することが大好きなので、特に場所は問いません。地元の小さなコーヒーショップでも海外の会場でも、ライブを観てくれるお客さんに違いはありません。「とにかく楽しんでもらいたい!」「ウクレレの音を聴いてハッピーになって欲しい!」と思っています。僕の演奏を観てくれた方からよく「元気をもらいました」と言われますが、実は、喜んでくれる観客の方々の顔を見てパワーをもらっているのは、自分自身だったりします。ライブは元気の源です。

―ハワイの雄大な海や夕日を目の当たりにして感動した時、物事が思い通りにいかなくてモヤモヤした時、嬉しいことがあってすごくハッピーな時。ジェイクさんは仕事ではなく、プライベートではどのような時にウクレレを演奏するのでしょう。

 常にウクレレは演奏しています。最近は息子が誕生したこともあり、彼に弾いて聴かせてあげたりしています。

―ウクレレの音色がロック調になったり、優しいピアノ調になったり、毎回見事な演奏を披露してくれます。

 僕は、さまざまなジャンルの音楽が好きです。そして常に、異なったジャンルをウクレレで演奏することに挑戦し続けています。作曲する時のインスピレーションはいろいろなものであって、それは、食べ物、訪れたことのある場所や家族など、身近なものからだったりします。

―1998年のデビュー以来、いろんな場所でコンサートを開催したり、有名アーティストとコラボレーションしたり、名誉ある賞を数々と受賞したりと、とにかく順風満帆なアーティストライフを歩んできているように見えます。

 幸運にも、音楽について学ぶのに最適な環境にいると思います。特に、これまでたくさんのアーティストの方々とコラボレーションさせてもらいましたが、いつも新しいことを学ばせてもらっています。一番大きな変化は、ツアー生活で年中飛び廻っていることです。昨年も世界140都市を廻り、約9カ月間もハワイを離れていました。このような経験がミュージシャンとしてだけでなく、人間として成長させてくれているのだと思います。

―最近、注目の米アーティスト、またいつか共演してみたいアーティストの方はいますか?

 共演したいアーティストは、たくさんいます! 今ぱっと思い浮かんだのは、エドガー・メイヤー、クリス・シーリ、エリック・クラプトン、ボブ・ディラン、スティーブ・ガッドなどなどですね。

―ウクレレの魅力とは、一体何でしょう。

 ウクレレの音は赤ちゃんの笑い声のようで、人々を幸せにしてくれるような気がしています。簡単に誰でも弾ける楽器ですし、どこへでも持ち運びができる◎そんなところも魅力ですね。

―ずばり、ジェイクさんの人生において、ウクレレとはどのような存在でしょう。

 なくてはならない存在です。ウクレレを弾くことで、僕自身も気持ちを落ち着かせることができます。ウクレレに癒されています。

―最後に、ニューヨーク公演を楽しみにしている現地のファンに、一言メッセージをお願いします。

 ニューヨークでのコンサートをとても楽しみにしています! 皆さんにウクレレの魅力をお届けできたら嬉しいです。ぜひ観に来てください!

 

NY公演決定!
3月27日(木)午後8時〜
Highline Ballroom(431 W 16th St, New York, NY)
チケット:前売り27.50ドル/当日30ドル(www.jakeshimabukuro.comから購入)
※テーブル席を利用の場合は、一人につきミニマムチャージ10ドル