第40回 Untamed Sandwich

03/19/2014

自然のおいしさ、丸かじり

　マンハッタン区ミッドタウンにことし１月、ブレイズド・サンドイッチの専門店「アンテイムド・サンドイッチ（Untamed Sandwich）」がオープン。人気店のランチタイムは、人でごった返す―ビジネス街でおなじみのこの光景は、同店にも当てはまる。
　「ブレイズド」とは、いったん油で炒めた食材を蒸し煮にする調理法で、同店ではチキンやビーフステーキ、ポーク、ラム肉のほか、旬の野菜を使ったベジタリアン・サンドイッチも提供している。

オーナーのアンディー・ヤコビさん

　「健康にも環境にも優しい〝サステイナブル〟であることはもちろん、味にもどん欲でありたい」と話すのは、同店の若きオーナーであるアンディー・ヤコビさん。店で扱う食材―例えば肉類は、ニューヨーク州アップステートにある契約農場から仕入れた新鮮でオーガニックなものだけを使用しているのだとか。店名である「Untamed（＝飼いならされていない）」が、まさにその精神を象徴している。

　「トレンドに敏感なニューヨーカーは、グルメ志向でありながら健康にも気を使っている欲張りな人が多い。ウチのサンドイッチは、これらすべてを兼ね備えた理想的なメニューだよ」と自信を覗かせるヤコビさん。老舗マッキトリックホテルの現役シェフで、同店の共同オーナーでもあるリッキー・キングさんが満を持して考案したメニューは、とにかくどれもここでしか味わえない個性派ばかりだ。

　そんな同店の人気ナンバーワンが、豚の肩ロースをブレイズした「THE BUTT（12ドル）」。ソテーした菜の花とシャープチェダー、ペッパージェリーにディジョンマスタードと、ユニークでセンスの光るトッピングが、しっかり味付けされた豚肉のうま味をより一層際立たせている。豪快にかぶりつくのが一番だが、ソースがたっぷり絡まっているので、服を汚さないように気をつけたい。