流行の原因は医療機関か NY市のはしか

 ニューヨーク市保健衛生局は19日、市内で流行しているはしかについて、マンハッタン区北部にある救急病棟や診療所などの医療機関で感染が広がった可能性が高いとして、現在調査を実施している旨を発表した。
 同局疾病管理部副局長のジェイ・バーマ医師によると、医療機関であってもはしかの初期症状を見つけるのは難しく、患者の中に感染者がいたとしても気づかないことも多い。このため、医療機関に一定時間滞在している間に感染した可能性は十分想定できるという。
 また、はしかは感染力が非常に強く、空気感染もするため、感染者の隔離だけで防ぐことは困難とされている。
 同医師は、今回の流行はひとつの狭い地域で起こっているわけではないとし、特定の医療機関名を挙げることを避けた。
 感染の拡大を防ぐため、同局は予防接種を受けていない住民に対し、直ちに受けるよう呼び掛けている。また乳児や免疫が低下している人、抗体のない妊婦が感染した場合は重症となる可能性や合併症を引き起こす危険性があるので、特に注意するよう訴えている。
 今回の流行では、マンハッタン区、ブロンクス区、ブルックリン区で現在までに20人の感染が確認されており、そのうち9人が子どもであるという。