ことし1月にニューヨーク市長に就任したビル・デ・ブラシオ氏の業務評価に関する世論調査が実施され、同市長が掲げる3つの主要政策案について、市民の過半数が反対している実態が明らかとなった。
デ・ブラシオ市長の政策のうち、主要な柱のひとつが富裕層への増税案と、これを財源とした幼児教育制度の推進だ。しかし今回の世論調査では、「幼児教育の充実には、増税による税収よりも州の財源を利用すべき」だと答えた市民が半数を超えた。
ニューヨーク州のアンドリュー・クオモ知事は同政策について、増税に反対する姿勢を明確にしているほか、ニューヨーク市の幼児教育の拡大に向けて今後5年間にわたって州予算を充てる意向を表明している。
また、デ・ブラシオ市長がチャータースクールについて消極的な立場を取り、公立学校の校舎利用許可を却下するなど、チャータースクールの削減にもつながる方向性を打ち出していることについて、調査に応じた市民の40%が「チャータースクールの増加を望む」、39%が「現在の学校数を維持すべき」だと答えた。
さらに、選挙戦でも特に強調していた公約の一つである、マンハッタン区セントラルパークの観光用馬車を禁止する計画については、約75%が「禁止に反対」と回答した。
就任後3カ月で、主要政策への有権者からの賛同が得られていない実態が浮き彫りとなった格好だが、専門家からは「あらゆる政策に対する結論はまだ出ていない。世論調査を行うには早すぎる」との声も上がっている。