ニューヨーク市のビル・デ・ブラシオ市長は20日、有給病気休暇条例の対象を拡大する内容の条例案を承認した。これにより、従業員数が5人を超える企業は、従業員に年間5日以上の有給病気休暇を認めることが義務付けられる。
これに加えデ・ブラシオ市長は、ハドソンヤード再開発計画に従事する労働者約1650人への賃金を、福利厚生が含まれる場合で10.30ドル、含まれない場合で11.90ドルに値上げすることにも同意した。
デ・ブラシオ市長は声明の中で、「民間セクターと協力して、市民が必要とするものを提供するために、より多くのことを実行していく」と述べた。
同市のマイケル・ブルームバーグ前市長は任期中、病気休暇の適用拡大は雇用の低下につながるとして条例改正案に拒否権を行使したほか、ハドソンヤード再開発計画と開発事業者に対し、労働者に最低賃金を支払うための補助金交付も無効としていた。
デ・ブラシオ市長は今回の決定で、前政権との方向性の違いを改めて強調したこととなる。
なお、病気休暇の拡大については、従業員が19人以下の企業や製造業者に対しては改正内容への対応期間として、施行から6カ月間の猶予が与えられるという。
また同市長は、ハドソンヤード開発事業の一環として建設される低価格住宅を139戸増加することも明らかにした。