校内のいじめめぐる訴訟 学区が加害者生徒を提訴

 ニュージャージー州上位裁判所第13地区のヨランダ・シッコーン判事は24日、同州ハンタードン郡の高校で起きたいじめに関する訴訟で、被害者の生徒に訴えられた学区が、加害者の生徒らを提訴できるとする判決を下した。法律情報サイト、ニュージャージー・ロー・ジャーナルが報じた。
 訴状によると、原告のVBさん(仮名:18歳)は4年生から8年生の間に、クラスメイトから体型や性的指向についてからかわれたほか、ランチトレイを投げつけられたり、ズボンを下ろされ、股間にサッカーボールを蹴りつけられるなど、多数のいやがらせを受け続けて来たという。
 VBさんはいじめにより摂食障害を起こし、高校2年の時には入院。いじめを理由に、1年早く卒業を認められた。
 VBさんの母親は、学校職員にいじめについて報告したが、学校側は加害者との間に入って話を聞くなどの対応を一切しなかったとして、新しく定められたいじめ防止法に基づき、ハンタードン・セントラルおよびフレミントン=ラリタンの両学区を提訴した。
 これを受け学区側は、いじめの加害者である生徒らを共同不法行為により提訴。加害者の生徒らの弁護士は、学区側による第3者訴訟を取り下げるよう裁判所に申し立てを行っていたが、同判事はこれを却下した。
 今回の判決についてモリスタウン郡在住のロバート・ゴールド弁護士は、「保護者が責任をもって子どもの生活態度を見つめ、教育するという認識が芽生えるのでは」と今後への期待を寄せた。