チップ労働者の最低賃金 NJ州下院で値上げ案可決

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 ニュージャージー州議会下院労働委員会は24日、飲食店の接客係など、チップを受け取る労働者の最低賃金を値上げする法案を6対3で可決した。
 同州では現在、チップを受け取る労働者の最低時給は2.13ドルと定められているが、同法案が施行されれば、今年度末までに推定3.39ドル、来年度末までに5.93ドルへと順次値上げされることとなる。
 同州のこれらの労働者の最低賃金は、20年以上変動がなかったという。同州の最低時給は8.25ドルと決まっているため、チップを加えても最低賃金に達しない場合は、雇用主が不足分を補てんする必要がある。
 今回の法案についてある雇用主は、これまでにも商品やサービスの値上げをする度に、従業員の時給も引き上げてきたと主張。さらに値上げするとなれば、人員削減や従業員の勤務時間短縮などの措置を講じる必要や、商品の値上げを強いられ、その結果、客からの苦情が出ることなどを懸念している。
 レストランチェーンのアップルビーズなどを運営するドハティ・エンタープライズ社は、「同法案が施行されれば収益が減る」とし、今後のニュージャージー州への店舗展開について再考する意向を明らかにしている。
 同州では2012年3月にも同様の法案が下院同委員会で可決されたが、上院で否決されている。