無実の罪で25年間にわたり服役していた男性が8日、有罪判決は誤りであったことが認められ、釈放された。男性はジョナサン・フレミングさん(51歳)で、1989年にブルックリン区ベッドフォードで友人のダリル・ラッシュさんを銃殺した罪で有罪となり、服役していた。
フレミングさんは逮捕直後から一貫して無罪を主張しており、事件当時は家族とフロリダのディズニー・ワールドへ旅行に出掛けていたと話していた。同氏はその際の旅券や旅行中のビデオ、絵ハガキなどを呈示したほか、母親のパトリシアさんも「(事件当時は)息子と一緒にフロリダに滞在していた」と証言していた。
しかしフレミングさんが犯行を犯す現場を目撃したという証人が現れ、これが決め手となり有罪判決が下された。
昨年1月にブルックリン区では新しい地区検事が就任し、検事局は1980年代以降の殺人事件をあらためて捜査し直すことを決定。フレミングさんの事件も再捜査の対象となり、アリバイを証明する重要な証拠品が、裁判では提出されていなかったことが判明した。また当時の証人は、自身の罪が軽くなると警察に促されたことで、虚偽の証言をしたと告白している。
ニューヨーク市では昨年3月にも、無実の罪で23年間服役していた男性が釈放された。男性は同市を相手取り裁判を起こし、市側が640万ドルの慰謝料を支払うことで合意している。
ニューヨーク市では、不法な捜査手法を用いていた疑いが問われているNYPDのルイス・スカーセラ元刑事が過去に扱った事件の見直しが、現在行われている。