大学構内での強姦撲滅を NY議員、連邦支援の必要性説く

 ニューヨーク州選出の民主党連邦上院議員キルステン・ジルブランド氏は7日、大学構内での性的暴行を取り締まる法律の施行と、その捜査に充てる連邦補助金の拡大を呼び掛けた。
 昨年、ニューヨーク州の大学や短大では365件の強姦事件が報告されており、その多くがアルコールやドラッグに関連したものだった。
 統計によると、加害者の90%以上が初犯ではなく、全米の大学に通う女性のうち、約5人に1人が強姦未遂または強姦の被害者になる可能性があるという。
 同日、マンハッタン区にあるジルブラント氏の事務所で開かれた記者会見には、大学在学中に強姦被害に遭った女性2人も同席した。コロンビア大学3年生のエマ・スルコウィッツさんは、2年生の時に事件に巻き込まれた。「学校に被害届を提出したが適切な対応がなされず、加害者には何の処罰も与えられなかった」と主張する。また同大3年生のゾーイ・リドルフィ・スターさんも、同じ加害者から強姦された。スターさんは、「大学に助けを求めた被害者は無視され、支援も得られず、沈黙を強いられだけ」だと現状を嘆いた。
 一方、コロンビア大学のリー・ボリンジャー学長は「これまでにも同大では、不正行為の撲滅に努めると共に、被害者支援も行ってきた。また大学の方針に反する学生に責任を負わせるという義務を、長年、優先してきた」とも主張し、同議員の取り組みを称賛した。