呼出状発行時に証拠写真 当局に有罪立証責任課す条例案

 ブロンクス区選出の民主党市議会議員ジェイムス・バッカ氏が、ニューヨーク市当局の職員が飲食店の衛生規範違反や駐車違反などで呼び出し状を発行する際には、証拠写真を必要とする条例案を推し進めている。
 同条例案が成立すれば、ごみ収集作業員が蓋のないごみ箱や、除雪されていない歩道、衛生検査官が店内で見つけたねずみの糞や不衛生な設備などに対して呼び出し状を発行する際には、証拠となる写真を撮影しなければならなくなる。また、消火栓から十分な距離を置かずに駐車した車両や、横断歩道やバス停、身体障害者用駐車場やバイクレーンへの駐車、ナンバープレートのない車両などに違反切符を発行する際にも、その証拠写真を必要とする、1年間の試験的プログラムが予定されている。
 現行の制度では、当局職員が違反だと判断すれば呼び出し状や違反切符を発行しており、市民は無罪を証明できない限り、有罪となる確率が高い。
 だがバッカ氏は、基本的には無罪とし、当局側に有罪立証の責任を課す形が望ましいと主張している。
 この制度は同時に、写真が違反の決定的な証拠となるため、無罪を主張して異議を申し立てる違反者の減少にもつながる。
 ニューヨーク市はこういった罰金徴収により、年間8億ドルの収益を上げているという。