米大手ファストフード・チェーンのチックフィレイが、ニューヨーク市へ本格的な進出を計画していることが明らかとなった。同社社長のダン・キャシー氏がかつて同性婚を明らかに否定する発言をして問題になったことから、同性愛者の権利に敏感なニューヨーク市民からは、反発が出るのではないかという見方が出ている。
チックフィレイは年内に全米で108店舗を新たにオープンする計画で、この一環として同市内への本格的な展開も予定しているという。同社は現在、市内ではニューヨーク大学(NYU)の学生寮内に1店舗を構えているのみ。
キャシー氏は2012年、「聖書に定められている家族の在り方を支持し、同性婚を認めない」という趣旨の発言をしたことから批判を浴び、サンフランシスコ市長やボストン市長がそれぞれの市への同社の進出を拒否する事態にまで発展した。
一方、当時ニューヨーク市長だったマイケル・ブルームバーグ氏は、「キャシー氏の個人的な意見は、同市での同社の展開には影響しない」と発言していた。ビル・デ・ブラシオ現市長はこの件に対し、現段階ではコメントを出していない。
だが、ニューヨーク市の同性愛者権利団体は、「チックフィレイは自社の従業員と消費者に対し、心からの敬意を払っていない」とする声明を発表している。