ニューヨーク州サフォーク郡のスティーブ・ベローネ郡長は14日、同郡での最低喫煙年齢を、現行の19歳から21歳に引き上げる条例案に署名した。
来年1月1日施行となる同条例は、医師で民主党郡会議員であるウィリアム・スペンサー氏が提出したもので、ことし3月に議会で可決された。
ニューヨーク州の高校生の喫煙率は、近年は減少傾向にあったものの、2012年にわずかな上昇を見せている。また疾病対策予防センターによると、毎年全米で44万3000人が喫煙に起因する疾患により死亡しているという。ハンティントン・コミュニティーセンターで行われた会見でベローネ氏は「この条例が、人々の命を救うに違いない」と語った。
だがその一方で、小売店主らからは「同条例の施行により、たばこだけでなく葉巻やシガレットペーパー、E-シガレットなど、利益が高いたばこ関連商品の売上も減少してしまう」と否定的な声も聞かれる。また、「同郡で喫煙年齢が引き上げられたとしても、消費者は喫煙習慣を止めるのではなく、隣接するナッソー郡やオンラインで購入するようになるだけ」だとの意見もある。
予算分析によると、同条例の施行によりサフォーク郡は、年間41万2000ドルの消費税の損失が推定されている。だが長い目で見れば、喫煙による疾病が減少することにより、29億ドルの医療費削減に繋がるとの見方もある。
ニューヨーク市でも昨年、同様の条例が成立している。