ジェイウォークの取締に分別 NYPD本部長が警官を指導


 ニューヨーク市警察庁(NYPD)のビル・ブラットン本部長が、交通規制を無視して道路を横断する「ジェイウォーク」を取り締まる警官らに、分別をもって違反者に接するよう指導していたことを、17日付の地元紙デイリーニューズが報じた。
 同紙が入手したメモには、①違反呼出状を発行する際には、分別を持って行動すること②高齢者や身体障害者が違反した場合、危険性がなければ呼出状の発行ではなく、警告で済ませること③逮捕は最後の手段として行うこと―などといった注意事項が書かれていた。
 市ではことし1月、交通事故死を減少させる取り組み「ビジョン・ゼロ」の一環として、ジェイウォークの取締強化を開始した。その翌週の1月19日、マンハッタン区アッパーウエストで、中国からの移民男性がジェイウォーク違反で呼び止められた際に、警官から暴行を受け負傷するという事件が起きた。男性はNYPDとニューヨーク市を相手取り、500万ドルを求めて訴訟を起こしている。
 同事件をきっかけに、ジェイウォークの取り締りの必要性と、違反者に対する警官の対応について、疑問視する声が上がっていた。
 市ではことしに入ってから、すでに900人以上が同違反で呼出状を発行されている。2012年の同時期に同違反で呼出状を発行されたのは、532人だった。