国内の各電力会社は近年、節電・省エネを促進するため、通信機能を備えた次世代電力メーター「スマートメーター」の設置を進めている。しかしスマートメーターから得られる各家庭の電力使用状況のデータは個人情報にあたるとして、プライバシー保護の観点から論議を呼んでいる。
スマートメーターの機能は、電気やガスの消費データからその家庭の生活パターンが推測できるもので、例えば何時に外出し何時に帰宅するか、どのような電化製品をどういった頻度で使用しているか、ということまで含まれる。そのため、これらの情報の扱いについて、各方面から規制を求める声が上がっている。
米市民自由連合のバージニア支部は、スマートメーターのデータを、捜査機関が本人に無断で入手する可能性があるとして、何らかの規制を設けるよう州に働き掛けている。
また米エネルギー省も2010年に発表したレポートで、スマートメーターから収集できるデータに関わるプライバシーの規制を早急に法制化する必要性を主張している。
一方、フィラデルフィア市ではスマートメーターの通信機能を危惧した住民らが、設置には同意しないとする動きもすでに出ている。