警官の増員求める市議会 NY市長と警察本部長は反対


 ニューヨーク市議会にこのほど、市警察庁(NYPD)の警官の増員を求める条例案が提出されたが、ビル・デ・ブラシオ市長とNYPDのビル・ブラットン本部長は、同案に否定的であることが判明した。
 デ・ブラシオ市長と親密なメリッサ・マーク・ビベリト氏ら市議会議員は23日、犯罪率の低下と、市長が目指す交通事故死撲滅のためには、警官1000人の増員が必要であると主張した。だが、市長とブラットン本部長は、現在の3万4604人で十分であるとの考えを明らかにした。
 警官の増員を実施すれば、7月1日から始まる2015会計年度の予算を約9500万ドル増額する必要に迫られ、翌年度にもさらに増額が必要になるという。市長は州都オールバニ市での記者会見で、「現在、在籍している警官だけで十分に職務を果たしている。我々は、これ以上赤字を増やすべきではない」と語った。また、ブラットン本部長は市庁舎での会見で、「増員よりも、現職警官の給料の値上げの方が先決だ」との見解を示した。
 市議会はこれ以外にも、①公立学校での昼食を世帯収入に関わらず無料とする②ホームレスの援助に力を入れる③市の固定資産税法の見直し―などの条例案を提出している。これらすべてを実現するためには、市長が2月に発表した暫定予算額737億ドルだけではまかなえず、0.4%の増額が必要となる。