スマートフォンやタブレットなどのモバイル機器を通した広告が、予想を超える速さで広がっている。
ニューヨーク市を拠点とする業界団体であるインターネット広告協会の調査によれば、モバイル機器を通した広告による収益は、2013年の1年間で70億ドルを超え、3年連続で前年の倍以上となった。
同調査によると、10年から現在までのモバイル広告による収益成長率は123%で、この数字は1949年〜52年のテレビ広告による収益成長率の98%を超えている。
この伸びは、モバイル機器の急速な普及に連動している。デジタル市場分析会社のコムスコアによると、米国におけるデスクトップ型またはノート型のパソコンの普及率は過去4年間、ほぼ変化が見られない一方で、米国人がモバイル機器の利用に費やす時間は2010年と比較して10倍にまで膨れ上がっているという。
ニューヨーク市のデジタル・マーケティング会社への投資を行っているファースト・ラウンド・キャピタル社のパートナーであるクリス・フラリック氏は、「モバイル革命が企業広告に与える影響は、まだ始まったばかり。今後のモバイル・マーケティングの可能性は計り知れない」と話す。
フラリック氏によれば、アプリケーションとウェブサイトの連携を高めることや、広告会社や広告制作に携わる人たちがモバイル・マーケティングについての理解を深めることが、今後の課題だという。