ニューヨーカーのランチは30分? 変化する米国人の昼休み事情

 人材紹介・派遣業者のOfficeTeamが行った最新の調査で、企業などで働く人のうち「昼休みは30分以下であることが多い」と答えた人の割合が、48%に上ることが分かった。また別の調査では、20%は「昼休みがまったくない」と答えていることも判明した。
 OfficeTeamによると、最近は昼休みを取る人の中でも、レストランを利用する人は非常に少ないという。さらに、昼食そのものを食べていない人も増えているようだ。
 この傾向は特にニューヨーク市で顕著で、「ランチはファストフードなどの軽食で済ませる」という人や、ピーナッツバター&ジェリーなどの持参した軽食で間に合わせる人がほとんどだという。
 数十年前までは、「パワーランチ」といって高級レストランでワインを飲みながら優雅に食事をしてビジネス交渉を行う企業も多かったが、不景気の影響を受け、このような経費を削減する企業が年々増えているという。このため市内のレストランでは、この数年だけでもランチタイムの売り上げが約2割減少している。
 一方、デリやスーパーマーケットなどでは、サラダやサンドイッチなどの軽食の売り上げが2008年から14年までに28%増加していることも分かっている。
 また、チポトレやパネラブレッドなど、ヘルシーでカジュアルなファストフードチェーンの台頭も、人々がレストランの利用を避ける一因になっていると考えられている。
 オーストラリアのように昼休みを取ることが法律で義務付けられている国もある中で、ニューヨーカーのランチタイムはあまりにも慌ただしいと言わざるを得ないようだ。