れんが落下で住民避難 ウエストビレッジのアパート

 マンハッタン区ウエストビレッジのアパートで14日朝、建物正面部分のれんがが落下し、住民に緊急避難命令が出される事態となった。負傷者はいない。
 現場は、同区クリストファー通りにある築100年のアパートビル。住民から建物が揺れ、れんがが落下したとの報告を受け、ニューヨーク市建築局の検査官が調査を行ったところ、落下部分に数カ所のひび割れが見つかった。このため、22戸のアパートの住民全員が避難した。
 ある住民は「この15年間、屋根からの水漏れに悩まされていた」と話しているほか、別の住民も「水漏れは、どんどんひどくなっているようだった」と証言している。
 建築局によると、この建物は昨年3月に保守管理の検査基準を満たしていないとされた件を含め、現在9件の違反事項が改善されないままとなっている。同局は、落下の原因が正面部分だけの問題か、または構造上に重大な過失がなかったかなどについて詳しく調べる。
 一部の住民は、15日までに自宅へ戻ることを許可されたが、ビル最上階については「大規模な補修を行わない限り、立ち入り禁止の状態が続くことになるだろう」と関係者は話している。