NY州司法長官の開示請求を却下 Airbnbのホスト情報

 ニューヨーク州オールバニ郡高位裁判所のジェラルド・W・コノリー裁判官は13日、エリック・シュナイダーマン州司法長官が空き部屋賃貸サイト「エアビーアンドビー(Airbnb)」に対して求めていた、宿泊場所提供者(ホスト)に関する個人情報提出の申し立てを却下した。
 シュナイダーマン氏は昨年10月初旬、違反調査を行う目的で、同サイトに登録しているホスト約1万5000人分の氏名や住所と、客を受け入れた宿泊日および宿泊代、さらに部屋を貸した期間のホストの有無、取り引きごとに納められた税金の種類などにつき、情報を開示するよう求めていた。
 ニューヨーク市では2011年、家主が不在の状態で30日未満の短期間、部屋を貸し出すことを禁じる条例を導入している。コノリー氏は、この度の情報開示申し立ては、開示対象をニューヨーク市や、30日未満の賃貸に限るなどとしておらず、適用範囲が広すぎるという理由で却下した。
 これを受けシュナイダーマン氏は、今回指摘された問題点を改正し、今後再び情報開示申し立ての提出を予定しているという。
 同サイトは、インターネットを介して空き部屋を旅行者などに貸し出す仲介業務を行っており、競合する宿泊施設をはじめ、近隣に見知らぬ者が入れ替わり立ち替わり宿泊することを嫌がる近隣住民、手頃な価格の住宅の不足を懸念する賃借権擁護団体などから疑問視されている。
 「現地の人から部屋を借りる」というコンセプトのエアビーアンドビーは2008年のサービス開始以来、若者を中心に急成長。現在はニューヨークを含む世界190カ国以上、3万4000都市にネットワークを広げている。