21日に一般オープンした9.11記念博物館に併設されているギフトショップで、世界貿易センター(WTC:ツインタワー)の写真をあしらったトレーナーや、ニューヨーク市消防庁(FDNY)のロゴを使った犬用の服などの記念品が販売されていることについて、犠牲者の遺族らから「品格と配慮に欠ける」と批判の声が上がっている。
ギフトショップではこの他にも、ニューヨーク市警察庁(NYPD)のパトカーや消防車の玩具、ブレスレットやマグカップなどの記念品、毎年9月11日が近づくと色が変わる木の葉のオーナメントなども売られる予定になっている。
ツインタワーの写真をあしらったトレーナーの価格は39ドルで、「私たちは暗闇の中でこそ輝く」という言葉が添えられているという。
ギフトショップは記念館の1階にあり、被害者の遺骨などがおさめられている地下保存室の真上に位置しているため、設置場所の適切性についても疑問視されている。また、同博物館が民営であるということ自体に憤りを感じているとの声も聞かれる。
米中枢同時テロで26歳の息子を失ったダイアン・ホーニングさんは、「私にとって9.11記念博物館は、息子の温もりを感じられる唯一の場所。息子が亡くなった地に民営の施設が建てられているのは、非常に配慮に欠けること」であると指摘する。さらに、ギフトショップの内容については「息子の墓とも言えるこの場所で安物の商品が売られているのは、とても気分が悪い」と不快感をあらわにした。
同博物館の広報は、施設の運営について「非営利団体ではあるが政府からの援助は受けておらず、民間の資金源や寄付、入場料からの収入、および細心の注意によって選ばれた記念品の販売で運営費をまかなっている」と説明している。また同氏によれば、「これまでに被害者遺族をはじめとする多くの関係者がこのショップを訪れ、記念品を購入している」という。
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