長興(CHO-KO)

 日本人の私達にとって中華料理は、小さい時から親しんでいる懐かしい味。家族揃って、大きな丸テーブルを囲んで食べた中華料理の味を思い起こさせるような、そんな店をご紹介。

和風中華の家庭料理

柔和な人柄の慶さん

 ニューヨークにもあの懐かしい中華料理を食べられる店があると聞いて、早速イーストビレッジの3丁目と4丁目の間、1番街沿いにある「長興(CHO-KO))に足を運んだ。笑顔で出迎えてくれたのは、上海生まれのオーナーシェフ慶海光さん。東京・東麻布の中華料理店で14年、イーストビレッジの日系中華料理店で11年、中華一筋に腕を磨いてきた料理の達人。日本人が好む料理も味付けも熟知している。

 今年4月、満を持して自分の中華料理店をオープン。カウンターとテーブル合わせて10席ほどのこぢんまりとした店内だが、日本式のおもてなしをモットーに、温かいほのぼのとした家庭的な雰囲気が一杯詰まっている。ウエイトレスとして働く娘のシンディーさんも、キビキビと店内を動き回りながらお客さんの対応に大忙し。

野菜、肉、シーフードと具だくさんの「五目ラーメン(9ドル)」

気軽に立ち寄ることのできる店構え

 メニューには餃子やシュウマイ、ワンタン、棒々鶏、焼豚など、おなじみの料理が並び、思わずどれにしようかと迷ってしまうほど。ポピュラーなご飯ものでは、チャーハン(豚肉、海鮮、高菜など)、中華丼、海鮮丼、麻婆丼、また麺類では焼きそば(五目、海鮮など)、ラーメン(醤油、味噌、五目、海鮮など)、つけ麺などなどがずらりと並ぶ。この時期なら夏の定番「冷やし中華(9・50ドル)」や、甘くてジューシーな肉味噌とシャキシャキきゅうりの相性が抜群の「ジャージャー麺(9ドル)」で、おいしく食べてスタミナを付けるべし。

 アペタイザーは3・50~6ドル、メーンは8~9・50ドルとリーズナブルな価格でいただけるメニューは全て手作り。また、常に作りたての料理を美味しく食べてもらうため、万全の準備をしてお客さんを迎え、必ず注文を受けてから作るという徹底ぶり。

 シンプルだが的を射た味付けはさすが、オーナーシェフの慶さんが日頃から目指している和風中華料理そのもの。中国本場の味よりも辛みを抑え、甘みを足した味が日本人の舌にはよく合う。
 仕事帰りや休日にぶらりと立ち寄り、心置きなく食事ができる場所として訪れてみたい一軒だ。

細切りのりんごがほんのり甘酸っぱく、味と食感にアクセントを加えている「冷やし中華(9.50ドル)」

長興(CHO-KO)
59 1st Ave(bet 3rd & 4th St), NYC
☎212-388-0885
営業時間/日〜木曜:12pm〜12am
     金・土曜 :12pm〜2am
     デリバリー:12pm〜10pm