「次世代に負の遺産残すな」 名護市長、NYで辺野古移設反対訴え
米普天間飛行場の辺野古移設反対を訴える目的で訪米中の沖縄県名護市の稲嶺進市長は17日、マンハッタン区内で講演した。市長は婦女暴行や自然破壊など、米軍基地に起因する事件や事故、問題を指摘したうえで、「次世代に負の遺産を残してはいけない」と述べ、強行的な移設は断じて許されないと訴えた。
この日は、在ニューヨークの沖縄県出身者や地元市民など約60人が参加。市長は名護市が作成した移設問題に関する英字パンフレットを使い、太平洋戦争後、いかに沖縄県が米軍基地の負担を背負って来たかについて説明した。
市長は「県民の74%が県内移設に反対している」と明言、「(市長選で)軍事基地をこれ以上作らせないことを公約に掲げてきた私の再選こそが、名護市民の民意である」とし、日本の民主主義のあり方が問われていると強調した。
また講演後の質疑応答で、当初は基地反対を訴えていた仲井真弘多知事が昨年、移設を承認したことについて不審感を抱いたと言う参加者の意見に対し、市長は「自分は最後まで『基地ノー』を貫く」と明言した。
講演を終えた後、弊社の取材に応じた稲嶺市長は「ニューヨークのみなさんにも、沖縄が直面している事実を理解してもらいたい。より多くの人々の声がメッセージになる」と話した。
参加者のある日本人女性は、「沖縄県とそれ以外の県でもそうだが、日本と米国ではこの問題に対する意識や関心度があまりにも違うのではないかと感じた。ニューヨークにいる自分ができることを考えるきっかけとなった」とコメントした。
市長は18日より米首都ワシントンDCを訪問。国務省のヘムシュ日本副部長のほか、民主党のサンフォード・ビショップ下院議員や共和党のポール・クック下院議員らと会談し、辺野古移設に反対する立場を重ねて表明。名護市民の声も説明し、理解を求めた。