新医療保険システム(通称オバマケア)の施行に伴い、「アージェントケア」と呼ばれる医療施設の需要が急増することが予想されている。
アージェントケアは緊急医療施設の一種で、予約がなくても診察が受けられるほか、週末や夜間も営業している。緊急病棟と比較すると、対象となる症状は比較的軽いものだが、生命に関わるような場合を除いては、短い待ち時間で治療を受けることができる。
最新の研究によれば、ニュージャージー州ではこのアージェントケア施設が年間18〜20%の割合で成長しているという。
その理由のひとつとして考えられるのが、オバマケアの施行により健康保険に加入する人の数が大幅に増加したことだ。特に、これまで保険に入っていなかった人は主治医がいないため、突然のけがや体調不良でアージェントケアに駆け込む場合が多いという。
また同施設は、緊急病棟と比べて医療費が大幅に安いことも挙げられる。2013年の研究によれば、緊急病棟で治療を受けた場合の医療費は平均1233ドルであるのに対し、アージェントケアでは1回の治療費は約150ドルであることが分かっている。このため、免責額が高い保険プランでも負担額が高額になり過ぎない。
また、一般の治療のように予約に時間がかかったり、病院で長時間が待つ必要がない場合が多いことも人気の秘密のようだ。
ただし専門家は、出血が多い場合や呼吸困難、意識錯乱など、症状が深刻な場合は911に電話をして緊急病棟で診察を受けることを強く推奨している。