資金難で導入拡大に黄信号 開始1周年のシティバイク

着実にファンを増やしているシティバイクだが、 資金繰りには苦しんでいる(photo: Tome)


 ニューヨーク市の自転車シェアプログラム「シティバイク」は27日、開始から1周年を迎えた。市民の新たな足として定着し、導入地域の拡大を求める声が多数出ているものの、資金難のため実現は当分見込めそうにないと関係者は話している。
 シティバイクは現在、マンハッタン区の59丁目以南とブルックリン区北部で330の駐輪場と6000台の自転車を所有し、年間会員には10万人以上が登録している。しかし、プログラムのオペレーターであるアルタ社が整備上の問題などから資金難に陥っているうえ、自転車や設備の供給会社がことしに入り破産保護申請を行うという問題も浮上した。
 市交通局(DOT)は昨年、ブルックリン区のウィリアムズバーグやグリーンポイント、クイーンズ区西部へと導入地域を拡大する計画を発表したが、これに必要な資金2000万ドルの調達には未だ目途が立っていない。
 シティバイクに関して、同市のビル・デ・ブラシオ市長と同市議会は先日、年会費の値上げや税金の投入を行う予定はない旨を表明している。
 一方、自転車擁護団体「バイク・ニューヨーク」の代表者は「シティバイクは官民連携のプログラムとして運営されているにも関わらず、市は何の援助も行っていない」と、市側が資金面で何らかの支援をするべきであると訴えている。